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キバナさん 男娼を買う

第9章 リード








 「あ。」


 ピンポン、と呼び鈴が鳴り、
 部屋中に響く。

 来客だ。

 「なんだよ。こんな時に。」

 キバナさまが僕から手を離す。
 はぁ、はあ、と息が上がったまま
 キバナさまから降りた。
 うう…勃起しそうだった…。

 「チッ…。」

 キバナさまがソファーから立ち上がり、
 玄関へと向かっていく。
 明らかに機嫌が悪い。
 舌打ちを何度もしている。

 僕も少し残念だが、
 どちらにしても後ろを準備をしなければ
 ならなかった。
 中断するタイミングがズレただけだと思えば
 気持ちは少し収まった。

 「ふぅ……。」

 息を整えてズボンを直す。
 半勃ちしてしまった雄が、少し苦しい。

 「………。」

 キバナさまがいない間に
 好奇心が湧いて上の服を捲ると、
 身体中に赤い跡がついていた。
 傷跡の上にたくさんついている。
 こんなに、いつの間につけたんだろう。
 今日つけたものだけではなさそうだ。

 「いろんなとこに…足にも…。」

 寝てる間か、行為の後しか考えられない。
 どちらだろう。

 そんなことを考えていると、
 玄関から罵声が聞こえてきた。

 「勝手に入るんじゃねえ!」

 「一応確認だ。
 キミの女遊びが減るのは、
 新しい女性を監禁した時だけだからな。」

 「監禁って、人聞きが悪い。
 向こうが飼って欲しいって言うから
 住まわせてるだけだって言ってるだろ。」

 「だとしても見過ごせない。
 いつ誰が見ているか分からない職業なんだ。
 もう少し自覚を持ってもらわないと困る。」

 ドタドタと足音がして、
 誰かが近付いて来るのが分かった。
 キバナさまは、僕を他人の目に晒すのを嫌がる。


 僕はただの『遠い親戚の子』で、
 『親が忙しいから仕方なく
 病院に連れてってやってる』だけの存在だ。
 
 キバナさまと一緒に住んでいることは
 誰にも言っていない。

 もし、もしバレたら、
 僕は、この家から出なければならない…。


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