第9章 リード
「んん…。」
家に帰り、チョーカーから首輪に戻される。
かちかちと音がして、金属が締まる音がした。
「よし。」
キバナさまが首輪から手を腕に這わせる。
ギプスのない腕を優しく撫でた。
「これで病院通いも終わりだな。」
今日で病院の診察は最後になる。
くた、と身体から力が抜けて、
キバナさまにもたれ掛かる。
やっと…終わった…。
「そんな嫌だったのかよ。」
「はい……。」
行くと必ず話しかけられ、
その度に背筋が凍ってしまう。
特に、あの看護師。
あの人、僕の…お客様、だったから。
毎回擬似デートをして、
ディルドで彼女を責めなけばいけなかった。
女性に興味がない僕からしたら、
ものすごい苦行だ。
擬似デートが長時間のため、
お金がたくさんもらえることがなければ、
すぐに切っていた客だ。
「ま、先生に毎回怒られるもんな。
動かしすぎって。」
キバナさまとの行為は、
僕の身体の負担が大きい。
キバナさまの強い律動で
僕の身体は激しく打ち付けられ、
その衝撃でギプスは必ずズレる。
事前に痛み止めを飲んでから行為に望むレベルだ。
「………。」
そのせいで治りが遅くなり、
病院通いが延びてしまった。
「で、復帰祝い何がいいんだよ。」
「本当に…なにもいりません。
今のままで十分です。」
「チッ…。」
「え、えっと…いっぱい抱いて欲しい、とか。」
「昨日もしただろ。依存症かよ。」
僕をぎゅっと抱き寄せる。
キバナさまの身体、暖かいな。
膝の上に乗せられて、
僕とキバナさまの身体が密着する。
「今日はゆっくりするか。」
キバナさまが優しく抱き締めてくれた。
甘くて、ふわふわして、幸せだ。
今日は休みで、キバナさまの仕事はない。
「ん…」
キバナさまが僕の額にキスをする。
そのまま、こつ、こつ、と頬や耳に唇が移動して、
首筋をがり、と噛まれた。
そのまま、がぶり、がぶり、と
首やうなじにキバナさまが噛み付いていく。