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キバナさん 男娼を買う

第8章 褒美








 「ギプス、軽くなりました。」

 腕を吊っていたの布がなくなって、
 僕の腕は自由になる。
 ギプスも小さいものになり、
 可動域が広がった。

 「これで動きやすくなります。」

 「無理すんなよ。
 まだくっついたばっかなんだ。」

 そう言いつつ、
 キバナさまの目線は、
 僕の身体を舐め回すように動いている。
 下腹、骨盤、太もも。

 「…これで、両手で御奉仕できます。」

 「両手はギプスに飛びそうだから無理。
 片手でやれ。」

 残念だ。折角両手で扱けると思ったのに。
 むすむすと口を閉ざすと、
 キバナさまがリードを引いた。

 「来い。」

 「……。」

 そう言って、いつも女性と入る、
 簡易ベッドがある部屋に連れて行かれた。
 その意味にどきどきと気持ちが昂る。

 「分かってんだろ?」

 「はい。」

 勿論だ。この部屋は、
 キバナさまが、性行為を行う部屋。
 そして、今日の相手は、僕、なんだ。
 キバナさまがベッドの柱にリードを括り付ける。

 「昼から仕事だ。帰ってくるまでに解しとけ。」

 「…はい。」

 どくどくと胸が高まる。
 仕事があるのが本当に惜しい。
 僕は、ここでお預けを食らうのか。

 「それまで…。」

 キバナさまが棚を漁って、
 僕に玩具を渡した。
 バイブだ。

 「これで遊んどくか?」

 「………、。」

 スイッチを入れると、
 バイブはぶるぶると震え出す。
 ごくり、と唾を飲む。
 解すのも、玩具も、久しぶりだ。
 きゅっと後ろが疼く。

 「じゃあ、行ってくるから。」

 「はい…。」



 優しく頬を撫でて、キバナさまの手が離れていく。
 でも、本当に欲しいものは、これじゃない。

 「前言っただろ?かわいがってやるって。」

 キバナさまがにや、と笑って、舌を見せた。

 「あとで、たっぷり、な。」
 
 
 その顔…ぞくぞく、してしまいます。

 「じゃあ、いい子にしとけよ。」

 

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