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ラストラインを越えて

第12章 夏合宿


また砂浜を走らされると思っていたホマレは両腕を振り上げながら跳ねた。
その足はすでに波打ち際へ向かっている。
『やったぁ!やっと海に入れる!』
「遊びじゃないので。フォームを意識して走ってください」
『はーい!』
バチャンと飛沫を上げながら返事をし、そのまま脚を海水に浸しながら移動した。
「波打ち際でのダッシュ練習は主に下半身全体の筋肉と心肺が鍛えられます。足場も斜めかつ柔らかいのでバランス感覚や足首の柔軟性が養われるでしょう」
濡れていないところを平行して歩きながら神座が言う。
「しかし砂浜よりも不安定なので、油断すると怪我をします。くれぐれも集中を切らさないように」
歩くたびに砂が柔らかく沈む。たしかに踏み込みで転んだり挫いたりしそうだ。
冷たい足裏の感触を楽しみながらホマレは納得する。
『へへ、気を付けまーす』
ルンルンとスキップしながら答えるホマレを傍目に、神座は浅く息を吐いた。









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