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ラストラインを越えて

第8章 初詣


『へへ、初詣連れてきてくれてありがとうございます。せっかくだしもうちょっとトレーナーと一緒に居たいかも……なんて』
寮に戻れば一人だ。ルームメイトは実家に帰省しているし、談話室に居座るのも気乗りしない。
そういうこともあり、ホマレは神座と過ごしたかった。
「一緒にと言われても、今日はもう特にやることなど……」
神座はふと歩みを緩め、ホマレの頭上に視線を滑らせる。
「……ああ、いや。1つありました」
『えっ、何ですか?』
その視線を辿り、どこを見ているのか気付いたホマレは耳をぴこんと跳ねさせた。
ウマ耳の先が風になびいてほわほわと揺れる。
柔らかく長い毛が太陽の光を集めて白く光っていた。
「冬毛の処理をしましょう」
『毛……』
注視されていることにホマレは少し恥ずかしくなって、神座から隠すように耳を押さえる。
『さっき見てたのコレか~……』
小さな声でそう呟いて、ホマレは手を離さずに耳を隠したまま歩いた。









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