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ラストラインを越えて

第4章 メイクデビュー


『風邪引かないように注意します……!』
ホマレはそう意気込みながら神座とともに建物の外に出る。
まだ微涼ほどに留まる夜風を浴びつつ、街灯が照らす道を弾むような足取りで歩いて帰った。





その夜、ホマレは寝付けずベッドの上で踞っていた。
メイクデビューという言葉が頭の中で何度も反響する。
ほんの3ヶ月まで無所属でずっと自主トレばかりで、せいぜい教官から基礎課程のみを受講できる状態だった。
それが今は神座の指導によって成長し、ついにはデビュー戦にまでこぎ着けられた。
同期より遅めのデビューになってしまったけれど、ようやくトゥインクル・シリーズのスタートラインに立てる。
ホマレは尻尾を小さく振りながら体を丸めた。
『(うまく走れるかな……ちゃんと結果、出せるといいな)』
以前より速く走れるようになったとはいえ、才能のあるウマ娘たちに比べたらまだ全然遅い。
神座は結果が振るわない程度で契約解消したりしないと言っていたけれど、その言葉もどこまで信用できるのか。
ひどい走りを見せたら気が変わってしまうかもしれない。
『(見限られないように……。まずは言われた通り、健康維持とトレーニングは絶対頑張らないと)』
そのためにも早く寝てしまおう。
ホマレは瞼を閉じ、同室の寝息に耳を傾けながら無理やり就寝した。









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