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ラストラインを越えて

第19章 初有馬


速度を緩めながら大きく息を吐く。
胸は焼け付くように痛く、視界も滲んでまともに前を見られない。
ふと、すぐ前を走っていた勝負服が目に入った。
黒と赤の裾を揺らす小柄な背中――出走前に圧を感じた、あの眼鏡のウマ娘だった。
ホマレのすぐ目の前を進んでいて、同じように大きく肩で息をしている。
『(あの子も……届かなかったんだ)』
胸の奥が少しだけ軽くなったような、けれど同時に余計に悔しくなるような、不思議な感覚が残った。









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