第1章 ボーイズ&ガールズ
挙動不審な私のことなどお構いなしに月島蛍は机の中を漁っている。
そして、眉間に皺を寄せたあとカバンに手を伸ばしその中も漁ったあと、大きなため息を吐いた。
一体どうしたと言うのだろう。
月島蛍の珍しい姿をガン見する。
どうしたの、とそう聞こうとするも私の口は言う事を聞かない。
なぜこんな時、いつもの独り言が勝手に口から溢れない、バカ!!
そう思っていると「ツッキー、どうしたの?」と天使の声が聞こえて来た。
山口くん!!!
「最悪、教科書忘れた」
「珍しいね。俺の貸そうか?」
「そしたら山口はどうすんのさ」
「俺は隣の子から見せてもらう」
「それ、僕のほうでしょ」
くすっと笑う月島蛍。
ほぎゃあああ!!
完全直視してしまった!!!
月島蛍の笑顔!!
破壊力がぱねえ!!!!
目が、目が…………開けられねえ………。
助けてくれ、助けてくれよ、友人たち。
ちらっと彼女たちを見るとジェスチャーで「お前が貸せ!!一緒に教科書見ろ!!」と伝えている。
アホか!!!!!!
今でさえこんな過呼吸を起こしているんだぞ!!
肩がピッタリくっつくような距離で45分間授業を受けて見ろ。
授業が終わる頃には私は灰になってるわ!!
考えて物を言え!!!!
心の中で友人たちに悪態をつく私をよそに、授業開始にチャイムが鳴った。
貴様も私を見放すのか。
私の味方はどこにも居らんというのか。