第1章 ボーイズ&ガールズ
それで、そんな月島蛍にクラスの男子の一人が「運動部のくせに体力ねえのな、月島!!ひ弱月島!!」って揶揄うんだ。
そうすると負けず嫌いの月島蛍は眉間に皺を寄せて、むっと唇を尖らせる。
「それで、"はぁ?それを言うなら君だって陸上部の癖に足が遅すぎるんじゃない?"って嫌味ったらしく言うんだよ。で、そこで不毛な争いが起きるわけで、横で見ている山口くんが"負けるな、ツッキー!!"って声援を送る。ここまでOK?」
「全然OKじゃないよ。てかなんでそんな解像度高いのさ」
「私も今びっくりしてる。こんなに絵が浮かぶもの?」
「知らないよ。てか、そろそろ真面目にうちらも授業うけないとヤバいよ。先生の目が光ってる」
友人の言葉に私は先生の方を見た。
腕組をして鋭い眼光で私たちを見ている。
慌ててバドミントンのラケットを持って、グループが出来ているクラスメイトの所へと向かった。
彼女たちは「あと数秒遅かったら先生の怒号が響き渡ってたよ」とケラケラと笑った。
そうなると思ったらから、やりたくもない授業を受けるんでしょうが。
出来ればずっと月島蛍のことだけを考えていたかったけど、世の中そんなに甘くないようで、私の青春という名の恋愛は授業と言う名の現実に塗り潰された。