第2章 マイワールド
「なんだあれ!!!」
「え⁉なにが!?」
「目が合ってしまった。あんなに綺麗な目をしているとは……。いや、知っていたさ。彼が綺麗な瞳の持ち主であることは。だって神が作り上げた造形美だぞ。美しくないわけがない。そんな彼と見つめ合ってしまった。見えたもん。私が。月島蛍の瞳に私が映っていたもの。やばすぎ!!!!」
「俺は今の空知さんの状態がやばいと思う」
日向くんに冷静に突っ込まれ、私は漸く平常心を取り戻す。
深々と頭を下げると「気にしてない」となんとも宇宙よりも広い御心で許してくださった。
だけど、これで月島蛍に思いを寄せているとバレた。
しかもチームメイトに。
「マネージャーになればいいのに。そしたら月島と一緒に帰ったりできんじゃん」
「あのね、日向くん。少女漫画ではね、運動部のマネージャーは当て馬なの。主人公と恋仲になれないポジションなの。昔から決まっているの」
「そ、うなの?俺、少女漫画読んだことないからわかんねえけど……」
「少年漫画だとどうなんだ?」
「良い質問だよ、影山くん。少女漫画より少年漫画の方が恋仲になる確率はとても低い。部活にファーカスを当ててるのもあるし、少女漫画よりも少年漫画を読んでいる女性が多くて、近年女子マネージャーと恋に落ちる展開はほぼない。だけど、一番の理由はそこじゃないの。大体の部活って部内恋愛禁止を謳っていることが多い。特に野球、サッカー、テニスあたりはそう」
「詳しいんだな」
ほ~、と日向くんと影山くんは感心したような表情をしている。
結構漫画は読んでいるからね、と心の中でふふんと自慢した。