第1章 ボーイズ&ガールズ
「山口くん、あのさ。バレー部に、菅原孝支さんっていう人いる、よね?3年生の」
「いるけど。え、空知さん知り合い?」
私は山口くんに事情を話した。
いっそのこと山口くんに頼もうかと思ったけど、思った矢先に体育館へと言ってしまった。
日向くんもいつの間にかトイレに行っていなくなっていた。
一人ぽつんと取り残される。
なんだろう、この時間。
さっきとは違う意味で緊張する。
時間にして2分くらいだろうか。あり得ないほど滅茶苦茶長く感じた。
体育館から左目の下の泣きホクロが印象的な人が現れた。
この人が菅原孝支さん……。
めっっっっちゃ爽やかなイケメン……!!
「山口から聞いたよ!本だよね、ごめんなぁ!!明日必ず返すよ」
「あ、はい。すみません、よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げる。
思ったよりスムーズだったぁ!!!!
なんだよ、さっきまでの緊張感は!!!
拍子抜けだよっ!!
安心したら変な汗かいて来た。
「練習の邪魔してすみませんで……」
休憩中とはいえ、その休憩を邪魔したことには変わりない。
そう思って謝ろうとした時だった。
体育館の中が少し見えてしまった。
壁に寄りかかって座って、メガネを外してタオルで汗を拭う月島蛍の姿が目に入った。
「あばばばばばばばばばっ!!!!」
「え、なに、どうしたの?」
「あ、ああああ、もう、あの、無理っ!!!!!!」
あんなの直視し続けていたら失明してしまう。
それほどまでに眩しくて輝いていた。
気づいたら私はその場から逃げていた。
後ろから菅原先輩が何か叫んでいたけど、本当にごめんなさい。
先輩は悪くないんです、がちめにまじで。
月島蛍に耐性のない私が悪いんです。
無我夢中で逃げながら、私は友人たちと作ったグループに電話を掛けていた。
暇を持て余していた友人たちはすぐさま電話に出てくれて、息を切らしながら叫んだ。
「棺桶!!墓!!今すぐ!!!!」
そのあと、何があったかを事細かく説明したら電話を切られた。
雑っ!!!!