第1章 ボーイズ&ガールズ
「でも、本当になんで私の方に来たんだろ……。自分で言うのもアレだけど、私ってさ情緒不安定じゃん」
「自覚はあったんだ」
「よかった、無自覚じゃなくて」
「さっきの時間さ、私大丈夫だった?奇行に走ってなかった?」
「驚くほど至って普通だったよ。暴走するかなって思ってたのに、なんもないから拍子抜けした」
こいつら人の恋路を楽しんでやがる。
いつか貴様らが誰かに恋をした時全身全霊で揶揄ってやるって今決めた。
やられたら倍返しだって半○直樹も言ってたもん。
でもでもでも。
変な事言ってなかったみたいだし奇行にも走ってなかったみたいで安心した。
もし暴走して月島蛍にドン引きでもされたら……、いや、まだドン引きだけなら何とかなるけど、嫌われでもしたら私は明日からクラスを変える。
「そろそろ戻るかー。次の授業の準備しなくちゃ」
友人の一人が「よっこらせ」と年寄りみたいな掛け声で立ち上がった。
スマホで時間を確認するとあと10分で昼休みが終わる。
なんでこんなに時間が経つの早いんだろう。
もっとみんなと話していたかったのになぁ。
そんな事を考えていると、今の今まで忘れていたことが思い出された。
「今日委員会の仕事があったんだった!帰りさ、先に帰っていいよ」
「はいよー」
「あれ、委員会なんだっけ?」
「図書委員会。今日ね、当番なのすっかり忘れてた」
「あんたって見た目と違って本好きだよね」
「そこまで好きではない。時間あったら読む程度だよ」
「私はだめだ。活字読むだけで眠くなる」
「……教科書も活字なんですけど」
きゃっきゃっと友人たちと笑いながら、教室へと戻った。