第1章 ボーイズ&ガールズ
友人たちに連れ出され、私たちは人通りの少ない階段に座りお弁当を食べていた。
先ほどまでは脳がキャパオーバーし、何も考えることが出来ずにいたが今は漸く冷静さを取り戻し……、
「取り戻せるわけなくないっ⁉!!?」
「うるさいよー、」
「少しは落ち着きなよ」
「てか早く弁当食べなよ」
友人に促され私はお母さんが作ってくれたお弁当を広げる。
白いご飯にはごま塩がいい塩梅でふりかかっていて、黄色くて甘い卵焼きが優しい眼差しで鎮座している。
そしてなにより、私の好物であるから揚げがいるじゃないか。
全て昨日の夜ごはんの残りだが、そんなの関係ねえ。
好きな物はいつだって食べたいものだ。
「良かった良かった。大好きなから揚げ見て落ち着いたようだ」
「それとこれとは別だ。頭の中はから揚げと月島蛍で埋め尽くされてる」
「同列にするなよ」
パクパクと頬張りながら、私は先ほどの夢のような現実を思い返す。
いや、本当にどんな徳を積んだらあんなすばらしい出来事が起こるんだ。
ありがとう、過去の私。
知らないうちに徳を積んでくれて。
「てかさ、なんで月島くんの方にいったんだろうね」
「それなー。いつも独り言言ってるヤバい奴より違う子の方に行けばよかったのにね」
「変な噂が立たない方って考えたらの方だった、とか?」
「えぇ、こんなに好意駄々洩れ女なのに?意外と鈍感?」
「ねええ!!本人目の前にさりげなく悪口言うのやめてよ!!」
「陰で言われるよりはマシでしょうが」
どっちもどっちだよ!!
悪口言われているのには変わりないんだから!!
むすっと口を尖らせると「本当、って黙ってればそこそこいい感じでまあまあかわいいのにね」と微妙に嬉しくないことを言われた。
これって褒められてるの?