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泡沫の夢【呪術廻戦】

第2章 春


夕焼けが窓の外を染める中、会話がふっと落ち着いてきた頃。
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硝子がふぁ~っと大きくあくびをしながら立ち上がる。
「……よし、風呂入ってこよ。今日、任務で汗かいたしな〜」
「わ、私も行こうかなっ」

ゆうなも、隣でぽそっと立ち上がる。硝子と目が合い、ふたりでニッと笑い合ったその瞬間──

「えっ、ちょ、待って待って! ゆうな、風呂⁉︎」
バンッ、と机に身を乗り出したのは悟だった。
「今から? え? えっ⁉︎ それって、硝子と入るってこと??」
「……は?」
硝子が露骨に眉をひそめる。
「風呂くらい好きに入らせろ。あとマジでそういうテンション、気持ち悪い」
「気持ち悪い言うなよ。俺、幼なじみとして心配してるだけだし?
昔怖い番組見てお風呂入れない〜さとるくん一緒に入ろ?とか言われてたし?」
「そ、それは昔の話でしょ!!」
ゆうなが慌てて悟の口を塞ぐ
「もういいから、じゃーね五条。夏油。」

硝子がそのままゆうなを連れ、すたすたと教室の外へ。

扉が閉まる寸前、悟は名残惜しそうにふたりの背中を見送った。
「……ちくしょう、風呂行った……俺も行きたい……」
「悟、やめろ。君がそれ言うと通報案件だ」
教室に残された夏油が、ため息混じりに笑う。

「ってか、傑……お前も気になるだろ?」
「まぁ……ゆうなの話は、確かに、少し気になるかもしれないな。ふふ」
「ちっ……こいつもか……」
五条は苦々しい顔で視線を逸らす。

「──まぁ、ゆうなが“誰を”選ぶか。ゆっくり見ていこうじゃないか、悟」
その言葉に、五条の頬がひくっと引きつる。
軽やかに交わされた言葉の裏で、静かに火花が散る──


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