すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第3章 ようこそ、俺の家に…
家に着けばオートロックのマンションに凜桜は茫然とした。
「…何してんの?行くよ?」
「あ、はい…」
そうして入るなり風呂に入る様に促した。
「…でも、代表…」
「気にしなくてもいい。ほら、さっさと入っておいで。」
そういわれて甘えるほかなかった凜桜は説明された場所に向かっていく。
「…ハァ…まさか…こんなことになるとは、な」
慣れていると言えば慣れているものの、それでも住吉的には琥太郎や一時だけの女性とは少し勝手も違っていた。
適当にきれいめな服を用意し、脱衣所に置いておく。タオルもだしておいた。
「…まぁ…解るだろう」
小さなため息を吐きながらも住吉は財布を取り出す。そしていろいろと準備を済ませていく。
「……あの、代表…?」
「ん?着れたか?」
「はい、あの…」
「何?」
「いろいろとすみません。本当に入社してからお世話になりっぱなしで…」
「世話してるつもりはない。」
「でも…」
「あー、凜桜ちゃん」
「はい」
そういうとじっと凜桜の目を見て住吉は話し出す。
「…今後一切『でも』は禁止な?」
「へ?」
「1回につき、罰金1,000円」
「でも…!…あ、」
「給料から天引きしとくから今払えって事じゃないよ」
「そうは言っても…!」
「否定的な言葉はなるべく聞きたくない。だろ?常に肯定的とはいかないかもしれないけど、出来る限り否定的な言葉はNGにする」
「……はい」
「それで?」
「…明日からは服仕入れて、ホテルに行きます。また新しい住処決まったらご連絡いたします…」
「だから、ホテルはもったいないって言ってんじゃん」
「…そうは言っても…」
「クスクス…でもじゃなくなったな」
「……」
「この家に住めばいい」
「はい?!」
「決まりな。」
「決まりって……」
「つべこべ言うなって。この東京って地で、自身の条件にあう物件探しの難しい事位は解ってるだろ?」
「それは解っていますけど…」
「ならこんないい話はないと思うけど?」
そう話している住吉は、条件と言わんばかりに続けた。