すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第15章 熱に浮かされて
「ここで十分休まる。」
「嘘ばっかり」
「…嘘じゃねぇよ…」
そう珍しくぽつぽつと話す住吉。…手のひらは解放され、肩だけ貸している状況になっている凜桜に気づけば本当に眠りについてしまった住吉だった。
「…今度こそ本当に寝ちゃったんだ…」
しかしタイミングは悪いもの…こういう時に限って凜桜はトイレへと行きたくなる。
「…ちょっと…ごめんなさい…?」
そうしてソファに寝かせる様に横たわらせれば凜桜はトイレへと向かっていく。そのままソファに戻れば床に座り込んでテーブルにパソコンを置いて始める。
「…んー…ッッん?」
そんな時だ。千紘から電話が入った。パソコンを置いて住吉を起こさない様に自室に向かっていく。
「…もしもし、大野です」
『ごめんね?今大丈夫?』
「はい、遅くなってすみません、どうかしましたか?」
そうして千紘に言われたのは資料を一つ転送してほしいとの事だった。
「…えーっと、私もって、…たね…」
『確かデータ、あるよね…ほんとごめん…』
「大丈夫です、じゃぁ一回送るからそれで間違ってないか確認してもらってもいいですか?」
『あ、もしよかったらこのまま電話繋いだままでも大丈夫。』
「OK、少し待ってもらってもいいですか?」
そうして電話をつないだままファイルをスクロールしていく凜桜。
「…ありましたよ?今送りますねー」
『……・・・来た来た、あ、コレ。ありがと!』
「よかったです、じゃぁ、お気をつけて」
『はーい』
そうして通話は切れた。
「…起きて…無いか…」
ホッと胸をひと撫でして凜桜は事っとスマホを置いた。