すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第15章 熱に浮かされて
「強がりばっか…」
「強がってない」
「強がらなくても…いいんです…」
「強がりじゃないって…凜桜が、君がいてくれるから倒れる訳ないんだ」
じっと見つめられるその瞳に少し動揺しつつも住吉は構う事も無い様子で水を飲み干し、喉を潤せば落ち着いた声で続けてくる。
「…君が思っている以上に俺は自分を律している。無理もする、でも…」
「…でも、なんですか…」
「秘書である凜桜の負担にはなりたくない。」
「…負担って…」
「だからこそ、今日は凜桜の言うとおりに休む。…休めばいいんだろ?」
「そう言って帰って休んでないで仕事してる人はどこの誰ですか…」
「…俺か」
小さく笑うその目は、ふわふわとした様子だった。
「…で、自分って自覚をしたなら今すぐ寝室に行ってください」
「…嫌だ」
「はい?」
「嫌だって言った」
「あの…体を休める気!ありませんよね…?!」
「あるよ。」
「だったら…ッッ」
しかしその言葉のすぐ後に住吉はグッと凜桜の手首を掴んだ。
「…ここに居たらきっと休める。」
「…はい?」
「だから…」
「私、ココで仕事しようとしてるんですけど?」
「だろうね」
「『だろうね』…って…」
「まぁ、俺を気にせずに仕事してくれていいから…」
そう言いながらも腕を組んで首を回す住吉。しかし時期にコツ…っと左肩に軽い重さと、さらっと頬を擽る髪がかかってきた。
「…ッッ…もぉ…集中できない…」
ぽつりとつぶやく声が住吉に届いていないのは確信に変わる。小さく漏れる吐息は熱を帯びて居た。
「…ハァ…」
動けなくなった凜桜はノートパソコンを膝の上に置いてマウスを右脇に設置すれば仕事に再開する。
「…大丈夫、かな…」
いつもよりも熱い手がこつりと当たればするっと凜桜は撫でた。しかし次の瞬間だった。