すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第14章 興味の渦
♢ Side 凜桜 ♢
どうして住吉さんとこんな風にキスしてるんだろう…確かにずっと憧れてた…一緒に仕事するようになって、どんどん好きが大きくなって…
好き…?
そっか…私、住吉さんの事が好きなんだ…だから…小宮さんに食事会セッティングしてほしいって言われたときに…もやもやしたんだ…
でも…この気持ちに名前つけたら…
ゆっくりと離れた住吉さんの唇が、最初は拒んじゃった舌が…ゆっくりと離れていく…
「…住吉、さん…」
「ん?」
いつもとさほど変わらない様子…それなのに今はその目が少しだけ優しい熱を帯びている様に見えるのはきっと…
気のせいなんだと思う…
キスをしても…付き合ってないし彼女じゃないから…抱かれることはない…
それがいい証拠に…キス以外は一切触れてこないその手、その指にもどかしさすら感じてしまっている自分の体が…求めちゃいけないのに…求めてしまう…
「す、みよしさん…」
「何?」
「…ッッ」
「その様子じゃもやもやの原因、解った?」
「…もしかして…知ってましたか?」
「知らねぇよ」
「…ッ」
ゆっくりと私の上から体をどかす住吉さんはそのまま反対側に体をずらして眠りについていく…
その背中…すぐ手が届くのに…全然…今誰よりも近いのに…
誰よりも遠くなった気がして…
苦しくなる…
これがせめて社内恋愛禁止じゃなかったらまだ一縷の望みはあったのに。
全然気づけないままのがよかったのかもしれなかった…でも…気づいちゃったら…この距離ですら…苦しくなる…