第14章 興味の渦

「落ちるぞ？」
「落ちないです」
「…たく…めんどくせぇ…」

そういえばグイっと後ろから抱き寄せる様に腕を回す住吉。

「…ち、ちょと…ｯｯ…！？住吉さん…？」
「さっきも途中だったし？」
「…ｯ…あれは…」
「心配しなくてもいい…彼女以外を抱くつもりは今はねぇから…」
「…そ、うですよね…」

抵抗する気力を一気に失った凜桜。

「…で？」
「よく言いますよね…『で？』って…」
「そう？」
「自覚ないなら自覚してください」
「そうだな」
「それで…、あの…」
「緊張してるだろ」
「あ、それは…」
「一緒に寝るって、後悔してる？」
「少し…」
「してんのかよ」
「だって…！」
「聞こうか？」
「……布団もその…住吉さんのだから…」
「それがどうした？」
「…ずっと…ぎゅってされてるみたいに思えて…」
「時々恥ずかしいこと言うよな…」
「…ｯ…手、放してくれませんか？」
「嫌だって言ったら？」

そういえば肩を引き、体の向きを変えさせる住吉。抗う事もなく凜桜もその手に誘われるように体を住吉に向けるものの、顔を上げる事は出来なくなっていた。

「…顔、上げて見ろって…」
「無理…」
「なんで？」

不意に聞こえるその声は甘くも聞こえるような優しいものだった。

「…だって…近い…」
「だろうな」
「…ｯ…」
「さっきキスしてんのに近さに文句言うなよ」
「文句じゃないんですけど…その…キス以外でのこの距離は恥ずかしいと言いますか…」
「…なら、恥ずかしくなけりゃいいんだろ…」

するりと頬をなぞれば唇を奪っていく住吉。体位を変えて上に覆いかぶされば指を絡めてきゅっと握れば何度もキスを交わしていく。唇を割り、舌を挿し入れる住吉のそれに凜桜も拒否をすることも無いままに応えていった。