すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第14章 興味の渦
「口、開けて?」
そういわれながらも凜桜はゆっくりと口を開ける。その中にぬるりと住吉の舌が入り込んできた。
「…ッッ」
ドンドン…と住吉の背中をたたいた凜桜。
ゆっくりと体を離した住吉は少しばかり不機嫌そうだった。
「…何?」
「ちが…ッ…その…」
「舌入れたらだめだった?」
「露骨すぎます!」
「…ハァ…萎えた」
するっと離れた住吉。髪を掻き揚げながらもシャワー室に向かっていく。そのあとを追い空ける様に凜桜は住吉の後を追っていく。
「…邪魔するな」
その一言でぴたりと面白いほどに足がすくんでしまった凜桜。それでもシャワー室に入っていき、さーっと水音がする。どれほど待ったか…浴室にざばっと入る音がしたのを聞いて凜桜は声をかけた。
「…代表…」
『ぁー?』
「あの…申し上げにくいのですが…」
『何?』
「嫌だったわけではなくて…その…」
しかし段々と小さくなる凜桜の声が浴室内の住吉に扉越しと言えど聞こえる訳がなかった。
『聞こえねえ』
「…ですので…!」
ガチャッと扉が開く。浴室から手を伸ばした住吉が開けたのだった。
「ッッ…その…」
「何?」
「舌入れられたのとか…初めてで…」
「…は?」
「だから…!!その慣れてないんです…!そういうの…」
「……」
「嫌だったとかじゃなくて…その…どうしていいのかわからなく…ごめんなさい…」
「…おい」
そう声をかけられた凜桜。濡れた前髪を掻き揚げた住吉はフッと笑を浮かべるのだった。