すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第13章 後悔した食事会
そんな時だった。
ピロン…
「……ッッ」
画面に表示されたのは小宮からのラインだった。
『今日はありがとうございます!大野さんのおかげで代表と距離縮められました!結構積極的で、キス、出来ました!』
その二文字を見た途端に凜桜はドクン…と全身が冷えた感覚になった。
『お疲れさま、そっか!よかったね!内緒の関係って感じだね!』
そう入れるのが精いっぱい、そんな感覚になっていた。
「…どうかした?」
ふと表情が変わったのすら住吉は見逃さなかった。
「…えと、代表?」
「んー?」
「小宮さんと付き合うんですか?」
「ぁ?何言ってんの?」
「だって…キスされたって事は付き合う前提でって事では?」
「……誰が誰とキスしたって?」
「代表が、小宮さん…?」
「なんでだって、食事しただけって言ったけど?」
「いえいえ、だっ…て、え?」
「さっきの通知、か」
しかし動じることも無いままに住吉はギッと椅子から立ち上がった。凜桜のデスクの横まで来るとデスクにもたれる様に軽く腰を掛けた。
「…ちょっと貸して?」
すいっとスマホを取れば、直後に小宮からの追いラインが入ってくる。
「…あ、ちょっと!」
「そういう事、」
何をするでもないままに住吉は凜桜にスマホを返す。
「…いっとくけど、キスはしてないし、言うなら積極的に断った。」
「…へ?」
「気になる?」
下から見上げる形になっている凜桜と視線が交わる。ふと視線をそらしてしまった凜桜にくすくすと笑う住吉。
「…気になるなら気になるっていえばいいのに」
「別に…代表が誰と付き合おうと…気にしてはならないので…」
「日本語、だいぶおかしいけど?」
ぽんっと肩に手を置いて、凜桜の開いているパソコン画面をのぞき込む。
「…コレなら必要ないな。帰るぞ」
「え?」
「明日も出勤なくても問題ないだろ…これなら」
そうして鞄を取りに自身のデスクに住吉も向かうのだった。