すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第12章 気付いた思い
そうして凜桜は住吉にメールを入れた。
『お疲れ様です。先ほどの件、18時にお願いいたします。』
送信をして時期に住吉から返信が入ってくる。
『で?』
「でって何…」
しかし、よくよく考えなくとも時期に答えは導き出される。
『すみません。頼まれてしまいました』
『食事で終わる』
『でしょうね…』
『てか、用事付けて俺行かなくてもいい?』
『行ってください、お願いします』
そうしてやり取りも終える。
「…ハァ…」
「甘いんだって、凜桜ちゃん」
「そうでしょうね…」
「分かってんのかぁ…」
「自覚位はありますよ…」
「それじゃなんも言えねぇや」
「でしょうね…」
千紘にもあっけにとられる。それでもどことなく浮かばれないような、自身の心ですらちくりとするその『モノ』に名前を付けようとはしなかった。
「…でもさ?社内恋愛禁止じゃん?ウチ」
「へ?そうなの?」
「あれ、知らなかった?」
「…知らなかった…」
「…その反応…誰か好きな人でもいた感じ?」
「いえ、そうではないですけど…」
「怪しい感じだけど?」
くすくすと笑いながらも千紘はパソコンに視線を戻していく。
「…琥太郎はやめとけよ?」
「え、なんで琥太郎君?」
「あ、違うのか」
「……もしかして誰かをあぶり出そうとかしてません?」
「いや?別に?」
「……いっときますけど、琥太郎君だけじゃありませんよ?諒君も千紘君もいい仕事仲間ですからね?」
「あれ、それだけ?」
「はい!!」
「…・・じゃぁ、代表は仕事仲間ではないって事か…」
墓穴を掘ったかの様にそこにちくりと凜桜の心に刺さっていくのだった。