すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第12章 気付いた思い
そして凜桜は小宮を見つけ、声をかける。
「あ、小宮さん!」
「…大野さん?どうかしたんですか?」
「ほら、代表との食事の件…今いいかな…って思って…」
「あ!嘘!!本当ですか?はい!大丈夫です!どうなりましたか?」
「日にちは小宮さんが言ってた日で、時間だけ、決まったら教えてほしいって言ってました。」
「……じゃぁ…18時で!」
「……え?」
「はい?…じゃぁ、お願いします!」
「あ、いえ…・・そうじゃなく……って行っちゃった…」
住吉に『自分で言ってこさせろ』とまで一回は言われたからには時間位は小宮に伝えに行かせようかと思っていたにも関わらず…いうだけ言って凜桜の話を聞く前に小宮はうきうきとしながらも離れていった。
「まぁったく…どうしてそうなるかな」
「…え?」
そう不意に後ろから声をかけてきたのは千紘だった。
「…聞いてた?」
「ん、しっかりと。」
「…ハァ…なぁんか流されちゃうのよね…」
「自分の事なんだから自分で言えばいいのに…彼女も…」
「ですよねぇ…」
「…で、それをまた伝言ゲームするってワケ?」
「代表の一番嫌いな奴ですよ…」
「知ってんのにやるんだ?」
「私は中間者…ですし…」
「中間者…プハ…初めて聞いた」
「…そうですか?」
ふぅ…っと一つため息を吐いた凜桜はそのままスマホを取り出した。
「…んー…」
どう打とうか迷っていた時だ。ピロン…っと先にスマホが震える。
『本当にありがとうございます!大野さんでよかった!』
そう、その送信元は小宮だった。
「…うまいよなぁ…」
そう呟く声はすぐ近くにいる千紘でさえも聞きなおすほど小さなものだった。