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すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~

第10章 度重なる不安材料


2人で並んで階段を降りれば少し離れた所の電柱に人影がある。

「…やぁっと来た!」
「…ッッ」
「なぁ凜桜!こんな遅くまで残されてんの?かわいそうだな…」

しかし住吉は何も言わずにただ凜桜と一緒に並んで歩いていた。

「…おい、無視は良くねぇだろ?」

ぐっと腕をつかんだタイミングで、住吉はようやく凜桜の肩を抱く。

「…黙って聞いてりゃ。」
「おいおい、社長様が社員に手ぇ出してんの?いかれてんね!」
「話にならんな、帰るぞ?」
「待て待て、俺はまだ話があ『独りよがりも寂しいやつだな』……ぁ?」
「違うの!圭介!あなたとの事をこの人は知らないから!だから…」
「うるせぇなぁ…そうやって俺以外の男に媚び売ってんの、変わらねぇって事だろ?ぁあ?」

雰囲気が変わった…次の瞬間、凜桜の首元に圭介の手がかかった。

「…ほら、誰が一番上かまた躾ねぇといけないみたいだな」
「離せって。」

いつの間にか後ろに回り、グッと背中側から首元を釣り上げた住吉。

「いい加減にしろって。」
「おま…ッッ…何してんだ!離せって!!」
「ならそっちの手を離す方が先だろうが。女性に対してそんな対応取るのはどうかと思うが?」
「…ハハ…笑わせる。こいつが女性?ただの処理材料だろ…!?猫被ってんのかよ、笑わせ…ッッ…!!」

聞くに堪えなくなったのだろう。住吉は思い切り凜桜から柴田を引きはがし、電柱に押さえつけた。

「…あんまり俺を怒らせんなよ」
「怖くもねぇよ」
「…つぅか、怒り過ぎて言葉も出ねぇよ」

そういえば思い切り体ごと振り払う住吉。どさりと地面に倒れ込む柴田を見ても凜桜は手を貸そうともしなかった。そんな凜桜の手を取ってスタスタをその場を去っていくのだった。
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