すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第10章 度重なる不安材料
そうこうしつつも商談は一気に進んでいく。そのまま待ったをかけるこもないままに、条件を上げながらも対応していく。
「…ーーーでは、以上でよろしいですか?」
「はい、すみません、色々とお世話になるかと思いますが…」
「大丈夫です。よろしくお願いいたします。」
そうしてがたりと席を立ち、互いに頭を下げてそれぞれ分かれていく。
「…な、大丈夫だっただろ?」
「はい」
「…でも、自分にもっと自信もて」
「…そうは言われましても…」
「俺の近くで、俺の傍で秘書やんなら自信家位には自身もってろって事だ。」
「自信…」
「少なくとも俺が傍に置いてるんだ。住吉仁が任せてもいいと思っている。それだけじゃ自身にはならないか?」
そう笑って言い放たれた凜桜。緊張していた、自分がたっていていいのだろうか…そんな風に思っていたのに、なぜか住吉の言葉がふっと腹に落ちていく。
「…十分すぎる位です。」
「大抵さ?例えば『モテるでしょ?』って聞かれたらなんて答える?」
「え、私ですか?モテませんよ」
「…って答えるだろ?」
「はい」
「俺は『モテるだろ?』って聞かれたら『よく言われます』って答える」
「それは住吉さんの容姿と経歴があってこそだから通用するんですよ」
「じゃない。そうじゃないんだよ、」
そう言いながらも住吉は話し出す。
「相手って多分こう答えるだろうなって思う答えが返ってくるとだろうねって感じで終わるのよ。それが自分が思ってるのと違う答えが来ると『おっ』ってなるのよ。そうするとこの人の話を聞きたいと思う訳」
「…そうならないかもしれませんよ?」
「じゃぁなんか聞いてみて?」
「……なんでもいいんですか?」
「ん」
そういわれて凜桜は考え込んだ。