すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第10章 度重なる不安材料
そして凜桜の部屋探しはのんびりのペースになったものの、それでも探すことは続けていた。そんなことを続けていたある日…
「凜桜?行くぞ」
「…へ?どこへ?」
「あのなぁ…商談、着いて来いって言ってあったろ」
「……・・・」
「忘れてただろ」
「…はい」
「ハァ…行くぞ」
そうして鞄を取り、慌てて住吉の後を追っていく凜桜。それを見て琥太郎と諒はくすくすと笑って言た。
「…凜桜ちゃん、たまにあぁ言う所ポンコツだよね」
「だよね」
「でも琥太郎もあぁいうところあったよなぁ…」
「えー?僕あそこまでポンコツじゃないよ!」
「言い方時々ひどいよな」
「諒さんのがひどいじゃん?」
そんなことを話している二人だった。それでもくすくすと笑いながら住吉の変化にも気づいていた。
「…でもさ?」
「何々?」
「代表も凜桜ちゃんの事いつからだったか呼びすてじゃん?」
「そう!!僕も思った!!え、いつからだっけ!」
「…よく覚えてないけど…やっぱりそうだよね!」
「そうそう。ほんとにびっくりした!最近知った」
「だよなぁ…」
そう話をしつつも仕事に戻っていった。
***
そんな間にも住吉と凜桜はあぁでもない、こうでもないと話をしながらも歩いていく。歩幅は凜桜が早足にならない程度、しかし決してのんびりではないままに歩いていた。
「…それで?」
「はい?」
「あれから川端は?何も連絡ないか?」
「はい、おかげさまで…」
「あの平手が効いたんだろ」
「…それはもう言わないでください」
そんな話をしながらも互いに小さく笑いながら、向かっていく。