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すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~

第7章 スピーカー越しの真実


「川端さんに…住吉さんには秘密でって…」
「それが理由じゃないだろ」
「……ッッ…」
「話してくれないか…」
「……怖かった…」
「何が…!」

少しだけ苛立ちをにじませている住吉だった。それでも聞かれてしまった、秘密を暴かれてしまった以上、もう凜桜は何もかも隠しきれなくなっていた。

「…住吉さんに…捨てられるのが…要らないと言われてしまうのが…」
「これだろ、」
「……ぇ…」

そこにはボイスレコーダーが出された。

「でも…それは録音し忘れたと…」
「舐めんなよ、たく…」
「…でも…ッッ…」
「傷をえぐる為に聞かせるつもりはない。ただ、この中の会話は全部聞いた。それで?最後のごめんは何のごめん?」
「…そ、れは…」

それは聞いていなければわからないことだった。電話の前にもう知られていた。もっと言えばお使いから帰った時には聞いていたんだと思う。なのに…

「いっそ全部吐いちまえよ」
「…怖かった…助けてほしかった…でも…困らせるって…住吉さんの重荷になるからって…それは避けたい…何か役に立てるならって…」
「…で?」
「…私が我慢すれば済むって思ってたんです。でも…どんどん気持ち悪くなっていって…でも拒めば…期待を裏切るって…任せてくれたのに…って…」
「あのなぁ…」

ガタっと椅子から立ち上がれば凜桜の前に座り込む住吉。

「…だからって我慢の限界を超えるんじゃねぇよ。それに社員は俺が守るんだ。なんで守られてんだよ、俺が」
「それは…」
「いや、ありがたいよ。そう思ってくれるのは。でも違うだろ。自分を押し殺してまでやることじゃねぇだろ…」
「……すみません…」

小さく吐かれたため息。そこには川端への怒り、そして凜桜に対しての僅かな思いがにじんでいた。
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