すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第1章 きっかけは突然に…
こうして少しして住吉と一緒に片岡は部屋から出てきた。
「おい、凜桜ちゃん?」
「あ、はい?」
突如名前呼びされた凜桜は驚きながらも住吉のもとに向かっていく。
「あの、なんでしょうか?」
「琥太郎に何か言われなかった?」
「何かって……特には何も言われなかった…ですよ?」
「嘘つかない方が身のためだけど?」
「身のためも何も…・・・」
「琥太郎には聞いたけど?」
「……でも、住吉代表に言われたのとは違ったので、」
「だぁかぁらぁ、それを聞いてんだって」
「有給がないとか?代表へのお茶くみは必須、あとは」
「あーー、めっちゃ出てくるじゃん。気にするな」
「気にするなって…え?だって…片岡さんに聞いたって…」
「あー、嘘」
そう平然と言ってのける住吉の顔には余裕すらも見えていた。反対に凜桜の顔からはサーっと血の気が引くような感覚に落ちていく。
「…だ、だって!!さっき聞いたって…!」
「あぁでも言わなきゃ言わないだろうって…」
「そうかもしれないけど…それでも」
「代表ぉぉ!」
「何、琥太郎、今話してんの」
「そうなんですけど、今日夜空いてますか?!」
「空いてるっつぅか…何々!怖い」
「諒さんと千紘くんとも話して!大野ちゃんの歓迎会!まだやってないじゃないですか!」
片岡の申し出に住吉は一瞬言葉を失った。
「確かに、やってないよね」
「でしょでしょ!!」
「で、凜桜は今夜空いてる?」
「空いてます、けど…仕事が…」
「急ぎ?」
「…住吉代表が一番ご存じだと思いますが…」
「よし、じゃぁ行くか」
そうして急遽、片岡の申し出により歓迎会が決まったのだった。