すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第5章 捧ぐは、忠誠か…
「なんで俺が食べさせてんだよ」
「…ッッ」
「今更照れても…どんだけ天然なんだって…」
前髪を掻き揚げて笑いながらも味を問うてきた住吉。もぐもぐと租借を繰り返して飲み込めば凜桜の顔は晴れ渡った。
「え、おいしい」
「そう?」
「カチャトーラって…鶏肉?」
「まぁ、食べたことなかった?」
「イタリアン=ピザパスタの人なんで…」
「いろいろ食べてみたらいいじゃん」
「そんな余裕なかったですもん」
「金銭面的に?」
「あとは作る実力的に」
「なるほど?」
しかし話しながらも残り全部住吉は食べきった。
「…ご馳走様、」
「でも…」
「ん?」
「結構色々食べたと思うんだけど、それでも今の鶏肉のがおいしかった気がする。」
「俺の事好きだね」
「はい?」
「ん?違う?」
「どうしたらそういう解釈になるんですか」
「知ってるか?」
そう言いながらも住吉は食べ終わったものの片づけをするべく立ち上がり、なおも話をつづけた。
「『何を食べるか』じゃなくて、『誰と食べるか』ってのも味覚に大きく影響するんだって」
「…そうなの?」
そう話す言葉の端々に凜桜が少しずつ住吉と二人きりの時には砕けてきたのを思わせる言葉が続くようになっていた。
「…だいぶ柔らかくなったな」
「え?」
「いや?別に」
そう呟いた住吉の背中をただじっと凜桜は見ていた。
***
それから3日たった日。再度凜桜は川端から誘いを受けた。その日当日の誘いだったため、ほぼ仕事着。何もおしゃれなんてしていない。それでも大丈夫と川端は申し出た。