すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第5章 捧ぐは、忠誠か…
会食場に向かう前に、凜桜は住吉にいろいろと確認を取っていた。しかし返事らしい返事は特に得られていない。というのも立場的には依頼をする側の川端商事と依頼を受ける側のSMYコーポレーションの立ち位置だった。そして以前にも取引のあった会社。硬くなることはないと言われていた。
「…そうは言っても…」
しっかりと頭の中でイメージトレーニングをして居た凜桜に住吉は笑って居た。
「…もうじきつく」
「あ、はい!」
そうして目的地に着けば、先方はまだ到着しておらず、先に住吉と凜桜は座敷に通された。
「…なんだか緊張します…」
「何が」
「だってこんな場所…初めてでして…」
「慣れてくれ。それに今日はお目通し位の感覚で連れてきた。大丈夫だって…!俺がいる」
そうどこから来るのかわからない住吉の声に凜桜はどことなくホッとしているのが解った。
***
5分ほどした頃、戸の外から声がかけられ、時期に開けば、そこには住吉よりも年は重ねているものの、それでも落ち着いた様子の男性がたっていた。
「…遅くなって申し訳ない…!」
「いえ、大丈夫です。」
「…おや、住吉さん、そちらの女性は…?」
「新しくウチに入りました、僕の新しい秘書です。
「初めまして、お初にお目にかかります、大野凜桜と申します。お見知りおき願います。」
「これはこれは、こちらこそ。川端商事の代表、川端祐樹(カワバタユウキ)と言います。こちらこそよろしく。」
そう挨拶を交わし、早速仕事の話に入っていくのだった。