第16章 ❁気づいたコト 蜂楽 廻
「エマー!!たっだいまんぼー!」
廻がブルーロックから帰ってきたのだ。
っといっても正式には2週間のオフなのだけど…
『廻!おかえりなさい!…ッ!ちょっと//』
「えへへ、いいじゃん。超お久しぶりなんだし!」
ここが外なのに構わずにぎゅーっと抱きついてくる廻…
恥ずかしいけど、結局は嬉しさが勝ってしまう。
「よしっ、俺ん家行こっか?」
漸く廻の腕から解放されれば、満面の笑みでそう言ってくる廻…
彼の問いに答える前に手を掴まれ、引きづられるように彼の家へと連れてこられた。
「おかえりー!エマちゃん久しぶり!」
『優さん、お久しぶりです!お邪魔します!』
廻の家に着けば、笑顔で出迎えてくれる優さん。
軽く挨拶を済ませ、彼の部屋へやってきた訳なんだけど…
『廻…?』
部屋に着くや否や、廻に後ろからぎゅっと抱きしめられたのだ。
「ただいま、エマ…寂しかった…」
『ッ!…私も凄く寂しかった…』
甘えた声の廻に私は少し安心した。
この数ヶ月間、全く連絡が取れなかったのだ。
私のことなんか忘れちゃったのかなって不安だった…
現に帰ってきてすぐ私よりも先に友達に会ってたんだもん。
潔くん…だったかな?
多分彼が廻の友達なのだろう…
昨日の試合でも彼の隣にずっといたし。
ありのままの廻を受け止めてくれる友達ができたことは凄く嬉しいことだ。
だけどちょっぴり寂しさもある。
今までは私が彼の唯一の理解者だって思ってたから…
「昨日の俺カッコよかった?」
『うん、凄くカッコよかったよ…』
「へへっ、嬉しい…」
そう言って私の背中に頭をぐりぐりして甘えてくる廻。
まだ廻の中に私がいることに凄く安心した。