第14章 温泉旅行 凪 誠士郎
「あっ、エマ…ッ!//」
『おまたせ、凪くん!わぁ…浴衣凄く似合ってる!』
「エマも…似合ってる」
『ッ!//えへへ、ありがとう!』
やばい、風呂上がりで髪を上げてるからエマの綺麗な頸が色っぽすぎて俺を誘惑する…
おまけに嬉しそうに顔を赤らめて笑うとかズルい、まじで可愛いんだけど。
俺の理性が崩れる…
あー、やばいかも。
「ねぇ、エマ…」
『へっ?//凪くん…!?』
エマの後頭部に手を回し、ぐっと顔を近づけた。
あと数センチで唇が触れる…
その時だった。
「あ、あの!凪誠士郎くんですか!?」
「え?誰?」
見知らぬ女の人、歳は俺らくらい?
なんか家族で来てるっぽい。
「あっ…一昨日のU-20との試合観ました!!すごくカッコ良かったです!!その…写真いいですか??」
「えっ…」
俺のファン? なんかめんどくさい…
そう思っていると…
『…写真!私撮りますよ!ほら、凪くん!』
「えっ、あ、うん…」
「えっ!?いいんですか!?やった!!ありがとうございます!」
「ッ…!」
ここで漸く気付いた。
エマの表情が違うことに…
「ありがとうございました!応援してます!!」
「うん…ありがと」
まさかこんな風に声をかけられるとは…
めんどくさい…
さっさと写真を撮ってその子とは別れた。
『ふふ、流石はスターだね!…ッ!凪くん?』
俺のほんの少し前を歩くエマの手を掴んだ…
「ねぇ、なんで悲しそうな顔するの?」