第14章 温泉旅行 凪 誠士郎
ぽちゃん…
広い大浴場は私1人で貸切状態だった。
『はぁ…』
せっかくの旅行なのにため息が止まらない…
久しぶりの凪くんとの時間、おまけに初めての旅行。
だけど自分だけが舞い上がってるみたいで…
一昨日、凪くんはスーパースターになった。
私の知ってる凪くん、だけど少し変わった気がするのだ。
それが少し寂しかった…
久しぶりだからか、変に緊張してしまって空回りしている。
ほんとはもっとイチャイチャしたいし、くっついていたい。
でも自分はそんなグイグイいけるタイプでもない。
思い切って浴衣を着てみたけど、反応はイマイチ…
『はぁ…ダメダメ!せっかくの旅行だもん、楽しまなくっちゃ!』
そうだ、こんな高級旅館は多分2度と来れないんだ!
凪くんとイチャイチャ出来なくても、楽しまなくては!!
気持ちをなんとか切り替えた。
「はぁ、やっと戻った」
大浴場に移動し、エマと離れてから漸く身体の熱が冷めた。
ぶっちゃけ、さっきの時点でエマとエッチしたかったけど久しぶりの再会でいきなりエッチはがっつきすぎだと思う。
エマとの時間を大切にしたい…
まだ我慢できる。
流石に夜は無理だと思うけど。
「ってかやっぱ3個は足りない…」