第2章 カノジョ 乙夜 影汰
『ッ!』
自身の目の前で起きていることに息を呑んだ。
「ッ!///」
「ちゅっ)影太好きっ…」
乙夜くんと恐らく彼の元カノである先輩がキスをしていたからだ。
忘れ物に気付き教室に戻ってきたら抱き合っている乙夜くんと先輩がいた。
そのまま帰ればよかったのに、足が動かなかった。
そしてキスをする二人を見て私は何故か…
『ッ…ポタッ)』
涙が溢れ出したのだ。
乙夜くんのことなんて好きじゃないのに…
チャラ男なんて好きじゃないのに…
どうして…
涙を抑えようとポケットの中にあるハンカチを取り出そうとした時だった。
ポトンッ
『ッ!』
「なに?」
「ッエマちゃん!?」
ポケットの中に入れていたリップクリームを落としてしまったのだ。
その音でこちらに気付く乙夜くんと先輩…
こんな顔見られたくない…
居ても立っても居られなくなり私はその場から走り去った…