第2章 カノジョ 乙夜 影汰
「エマちゃん、好き…」
俺の目の前には俺に壁ドンされ、顎クイをされている可愛いカノジョ…
小さくて可愛らしい唇にキスをしようとゆっくりと距離を近づける…
あと数センチで唇が重なる…はずが。
俺の身体は突然吹き飛び頬にジンジンと痛みが走る…
「ぐぇっ!痛ってぇ…やっぱダメぇ?」
『駄目です!何度も言ってるでしょ、私はチャラ男が大嫌いなの!いい加減諦めてよ!』
「チャラ男は認めるけど、俺ガチで惚れた子にはめっちゃ一途だから…安心して?バシッ)痛てっ!」
『その割には昨日も他の女の子にナンパしてたようですけど?』
「げっ、それは身体が自然と動きまして…」
そう、カノジョと言ってもまだ落とせていない。
なんならこれでもう9回フラれてる。
何故ならエマちゃんは…
めっちゃ俺のタイプだから。
ナンパは…マジで無意識。
しゃーないじゃん?本能だし。
『はぁ…じゃあ私はもう行くね…あっ!』
「ん?…冷たっ!…これ…」
頬に突然冷たすぎる何かが触れたのだ。
その正体はスポドリだった。
『あげる、反射的にビンタしちゃったし…部活あるんでしょ?だからあげる。じゃあね…』
それだけ言うとエマちゃんは何処かへ行ってしまった。
「やべっ//エマちゃんのツンデレマジでアガるんだけど…」
最初は顔からだったけどエマちゃんのこーいう優しいとこに俺は惚れて、沼ってる。
だから9回フラれても諦めない…
エマちゃんだけはマジで本気。