第5章 狼さん 氷織 羊
僕の名前を何度も呼ぶ彼女の声色が変わった。
そこで漸く、エマが泣いてることに気がついた…
しもた…泣かせてしもた。
彼女のナカから指を抜き、目隠しとタオルで縛っていた手を解いた。
『羊くん…?』
「ごめんエマ…僕…嫉妬した。烏とLINEしとることに…せやからってやり過ぎた…ほんまごめ…んっ、エマ?」
素直に嫉妬したことを話した。
やり過ぎてしもたことを謝ろうとしたんやけど、それは出来んかった。
エマにキスされたから
『嫉妬してくれたの…?凄く嬉しい…』
ふにゃっと笑うエマ…
めっちゃずるいやん、可愛すぎるよ…
「怒ってないん?僕あんな無理矢理やったのに…」
『怒ってないよ、羊くん。烏くんとはねちょっとした作戦会議中なの。だから少し私を信じて待っててくれる?』
「作戦会議…?なんの?」
なにがなんやらって感じ…
せやけどエマのこと信じるべきやって思った。
「分かった、待っとるよ」
『ありがとう!羊くん!』
僕の首にエマは腕を回してぎゅーって抱きついてきた。
エマの頭をぽんぽんと撫でると耳元でエマが甘い誘惑をしてくる…
『羊くん…続きダメ…?』
ダメな訳ないやん…
僕かて下半身の疼きがヤバい、やけど次こそ理性保てる自信があらへん。
「さっきみたいにエマが泣いてしもても止められる自信あらへんねん」
『羊くん…止めないでいいよ、羊くんの好きにして?』
ああ…もうあかん
「エマが悪いんよ?」