第1章 甘い朝 凪 誠士郎
『凪…くん?///』
私の目の前には凪くんと天井…
そこで漸くベッドに押し倒されたことに気がついた。
前髪で表情が見えない凪くんに恐る恐る声をかけてみた。
「・・・覚えたの?」
『えっ?なんて…?ッ!///』
まるで独り言を言っているように呟いた凪くん。
最初がなんて言っているのか聞こえなくて聞き返すと…
「ねぇ、そんな可愛いことどこで覚えたの?」
前髪の隙間から見えた瞳は先ほどの眠たそうな瞳ではなく…
エッチの時に見せる獲物をとらえた肉食獣のような瞳だ。
まずいと私の野性の勘が働き、咄嗟に私は平然を装った。
『凪くん、おはよ!ほら遅刻しちゃ…んぅ!///』
「んっ…、起きる気は出たけど…」
さっきのお返しのようにちゅっと触れるだけのキスをされ、抵抗できないように両腕を一纏めにされベッドに縫い付けられた。
太腿に当てられるのは紛れもない、熱を持った彼のモノ…
『な、ぎくん…?』
「エマのせいだよ?俺のこんなになったんだから…」
逃げなきゃ…でも彼の言葉の先を期待をしている自分もいた。
ゴクンっと唾を飲み込む…
「今日はとことん俺に付き合ってよ」