第4章 彼女のバイト 凪 誠士郎
「おまっ!///まじかよ」
「「きゃー///」」
『な、凪くん…?』
凪くんの突然のキスに御影くんやバイトメンバーは驚き、黄色い声が上がった。
恥ずかしすぎる…
普段はこんな大胆なこと絶対しない凪くんに私は怒るよりも、心配になった。
彼の頬に手を当て、彼の名前を呼んだ。
「なんでこんなとこで働いてんの?こんな可愛い格好して。すげームカつく。俺のエマじゃん…」
ぷくーっと頬を膨らませ、唇を尖らす凪くんはまるで小さな子供のようだ。
私は小さく笑い、謝った。
ここで働いている理由は、もうすぐ凪くんのお誕生日だから…
プレゼント何がいいかと聞いても、なんでもいいと言う凪くん。
本当はゲームがいいってことは知ってる。
でも高いから…凪くんは優しいから本当のことを言わずにいてくれた。
だからサッカーを頑張っている凪くんにちょっとしたご褒美と思って…
でも私のお小遣いだけじゃ足りないと思って此処で短期でバイトしていたのだ。
そして今日はラストの日だった…
「それが理由…?」
『う、うん。黙っててごめんなさい。凪くんを驚かせたくて…きゃっ!//』
突然身体が宙に浮く感覚に襲われ…
私は凪くんにタルのように担がれた。
『な、凪くん!?』
「じゃあ、エマがお世話になりました。レオ、後はヨロ〜」
「おい!凪!!!!ったく…サッカーすんときもそんくらい熱い目になれよ…」
大きなため息を吐くレオ、でもその表情は何処か嬉しそうだった。