第4章 彼女のバイト 凪 誠士郎
席に着くや否や、無表情の凪くんとアワアワとしてる御影くんに見つめられる。
穴があったらすぐにでも入りたい。
最悪なことに1番高いオムライスを頼まれている。
オムライスは特典で萌え萌えきゅんとチェキサービスまであるのだ。
チェキならまだいい、でも萌え萌えきゅんなんて…恥ずかしすぎて出来ない…
動かない私に痺れを切らした凪くんは…
「ほら早くやってよ、おねーさんの萌え萌えきゅんないと美味しくなんないよ?」
『ッや、やります…』
「お、おい凪、そんないじめてやんなよ…エマちゃんだって此処で働いてる理由もあんだろ?」
挑発してくる凪くん、そんな彼と私の間に入ってくれる御影くん。
私の中ではさっさと済ませて彼を追い返す作戦に切り替えた。
一度深呼吸をして…
『美味しくなーれ!萌え萌えきゅん♡』
「なっ!///」
「・・・・」
全力でやったものの、変わらず無表情の凪くん。
一方御影くんは…
「なんでレオ顔真っ赤なの?」
「うぇ!?そ、そうかぁ!?あ、暑いからかなーははー」
彼にはどうやら萌え萌えきゅんは効いたようだ。
なんとか無事にチェキ撮影も終わり、バックヤードへと逃げ込もうとした時だった…
『えっ!?//ちょっ、んぅ!///』
グイッと腕を掴まれたかと思えば、私の視界は凪くんの顔でいっぱいになったのだった…