第3章 お嬢の彼女 千切 豹馬
「ってなわけで喧嘩したままここに来ちまったんだわ」
気が付けば潔たちに全てを話していた…
そん時、蜂楽がああっ!大きな声を出したのだ。
「蜂楽、急にどうしたんだよ」
「潔!ほら、覚えてる?1人泣いてた女の子!!」
「え?ごめん蜂楽、俺緊張しすぎて全然覚えてねぇわ」
「ちぎりん、彼女応援しに来てくれてたよ!」
蜂楽の言葉にドクンと胸が鳴った…
まさかエマが…?
否、蜂楽はエマの顔を知らねぇし。
まさか…な…
「蜂楽、エマの顔分かんねぇだろ」
俺の言葉に蜂楽はニヤッと笑った…
「だってその子、ちぎりんのこと見て泣いてたよ。ウェーブのかかった薄い茶色の髪をした綺麗な顔の子」
「なっ!そ、そいつは目の下に…」
蜂楽の言う容姿はエマとおんなじだ。
いや、世の中には全然いる…
冷静を装おうとするも、気持ちは前のめりになる訳で…
「ふっ…ホクロあったよ?」
「ッ!!まじかよ…」
エマだ、まさか応援しに来てくれてたなんて…
嬉しすぎて目頭が自然と目頭が熱くなり、涙を堪えるのに必死になっちまった。
「おい蜂楽、お嬢の彼女ってそんなに美人なのか?」
「お人形さんみたいだったよ!ねぇ?ちぎりん♪」
「なっ!//そうだ!だからお前らエマに手ぇ出すなよ!」