第2章 カノジョ 乙夜 影汰
急にお姫様抱っこをされて連れてこられたのは乙夜くんの家…
家に着くや否やテキパキと動き、タオルと着替えを渡してくれる乙夜くん。
凄くありがたいけど、彼も濡れている。
部活もあるのだ、私よりも彼が風邪をひいてしまってはいけない…そう思ってしまった。
正直今の私には彼に襲われるなんて微塵も考えていなかった。
だから彼の言葉で急に恥ずかしくなったのだ。
乙夜くんも風邪を引いちゃうから…っと言えば頬を少し赤く染め、目を見開く乙夜くん…
「じゃ、じゃあさ…一緒に入っちゃう?そしたら俺も風邪ひかないじゃん?」
『ッ!//乙夜くんのバカ!!』
彼の言葉に私は逃げるように浴室へと逃げ込んだ…
彼を待たせないように早くシャワーを浴びて浴室を出ると…
『ッ!///』
上半身裸の彼がいて思わず顔を下に向けた。
「結構早かったじゃん、じゃあ俺もシャワー浴びてくるわ。俺の部屋はこの階段登ったすぐんとこ。適当に寛いでて」
それだけ言うと彼はそそくさと浴室へと向かったのであった。
彼の言う通り、階段を上がり彼の部屋で待たせてもらうことにした。
暫く経つと…
ガチャっと扉が開き…
「ちゅーっす、おまたせエマちゃん」
いつもの挨拶をしてくる乙夜くんに私は再び視線を逸らした。
『ッ///早くTシャツ着て…』
「ん?あっ、めんご」
上半身裸の乙夜くんは漸くTシャツを着てくれた。
さすがサッカー部だ。
無駄のない筋肉、もともと細身ではあるけど脱いだらこんなに逞しいなんて…
やっと乙夜くんの顔を見れたけど、今度は乙夜くんの様子が気になった。
全く目が合わないのだ。
もしかして体調悪いとか…?
そう思ったら身体が自然と動いた…
「へっ!?//エマちゃん!?」