第17章 甘いお仕置き 氷織 羊
腕を掴まれ慌てて振り向けばいつものふわーっとした雰囲気の羊くんがいた。
私の姿を烏くんのように上から下まで見た羊くんはニッコリと笑う。
その笑み…なんか怖い…
これは絶対に怒ってる…
『練習の邪魔してごめんなさい!すぐに帰…わっ!//』
ふわっと持ち上がる身体…
羊くんにお姫様抱っこされたのだ。
「烏、すまんけど僕帰るわ」
「しゃーないな、今日だけやぞ!」
「おおきに、君らすまんけどエマ連れて行くな?」
「「どーぞ!」」
『えっ!?ちょっ…』
そのまま私はお姫様抱っこされ、連行されたのであった。
ドンッ!
更衣室のロッカーに壁ドンされる。
前髪で表情が見えないけどこれは確実に怒っている…
『ご、ごめんなさい…練習の邪魔しちゃって…「ちゃう、僕が怒っとるんはそんなことやない」へっ…?』
練習の邪魔になったから怒ってると思っていたのに…
そうではないと言う羊くんに私はなんとも間抜けな声が出た。
そんな私に羊くんは大きなため息を付くと、ぐっと距離を縮めた。
鼻先が触れ合うほどの距離…
あと数センチで唇が重なり合うほどだ。
「こんな可愛い姿、僕以外の男に見せんといてや…めっちゃ嫌や」
『ッ!それって…』
羊くんの言葉に期待が膨らむ…
彼が怒っている理由って、もしかして…
「めっちゃ嫉妬した…せやから…」
『ッ!!///』
"お仕置きやで?"