第2章 新マネ登場
潔side
潔が洗濯カゴを抱えて洗濯室に向かっていたのは、たまたまだった。
練習で使ったタオルが汗でぐしょぐしょで、今のうちに洗っておきたかっただけ。
扉を開けると、そこには國神と女の子――可愛らしい、けどどこか頼りなさそうな子が、何やら会話をしている真っ最中だった。
潔「おーい、國神!いたのか」
いつも通り、何気なく声をかける。
國神はいつも通りに見えた。
けれど、その表情がどこか…ほんの少し、柔らかかった。
それが潔の目には不自然に見えた。
いや、不自然というより――
珍しかった。
潔(……今、笑ってた?)
國神は、こんな風に誰かと和やかに話すタイプじゃない。
特に、女の子相手にあんな風に喋るなんて。
いやでも女の子と接してるのなんてそりゃ見たことないからな…
しかしなぜか潔はそれに違和感を感じ、無意識に視線がに向いた。
潔「もしかして……新しいマネージャー?」
「天羽です。よろしくお願いします」
素直な声。
姿勢はまっすぐで、でも少しだけ緊張が滲んでいる。
感じよく笑っている。
そのはずなのに、どこかぎこちなさを感じた。
潔「こちらこそ。よろしく、さん」
明るく言ったつもりだったけど――