第4章 忍び寄る影
潔「え?」
3人が疑問を投げかけようとすると、すでに國神は声の方へと歩き出していた。
ズンズン進んで行くと、備品倉庫の中からかすかに震える声が聞こえた。
「助けて……誰か助けて…ぐすん…」
國「っ……!!」
バンッ!!
國神は勢いよくドアを開けた。
中の様子を確認すると、膝を抱えて震えるさなの姿が目に入った。
國「…見つけた」
國神はの目線に合わせてしゃがみ込むと、安心させるような笑顔をした。
國「大丈夫か?」
そう問いかける声はどこまでも優しかった。
は震えながらも國神の顔を見つめ、安心したのか、さらに涙が流れた。
「ひっく…ぐすんっ…く、國神くん…」
國神はそっとの頭に手を置き、優しく声をかけた。
國「怖かったな。もう大丈夫だ。出よう。こんな暗くて狭いとこ、天羽には似合わない」
その時、潔が息を切らせて駆けつけた。
潔「さん、大丈夫?水持ってくるよ」
凪や千切も続いて集まり、みんなの温かい視線に包まれながら、は少しずつ心を落ち着かせていった。
遠くから来た凛はその光景を見て、無言で息を飲んだ。
凛「…あいつ、本当に弱いんだな」
凛の目には複雑な感情が浮かび、彼女の胸の奥にも新たな決意が芽生えていった。