• テキストサイズ

奪い合う光の中で【ブルーロック】

第10章 本当の居場所


しばらくするとまた國神が話しかけた。

國「冷えると、風邪ひく。……立てるか?」

はわずかに顔を上げ、かすかに頷いた。

凪「……とりあえず、部屋に戻ろうよ。今は、少し休んだほうがいい」

潔「俺が送ろうか?」

國神が静かに首を振った。

國「俺が行く。……さっきから、ずっと背中が小さく震えてた。……今、ちゃんと支えてやれるの、俺だと思う。それに…また後悔したくない」

潔と凪は目を合わせ、小さく頷いた。

千「……お願い」

國神はの肩に手を添えながら、ゆっくりと立ち上がる。

國「行こう、天羽。もう、ひとりじゃないから」

はその言葉に、かすかに唇を噛みながら、それでも力なく立ち上がった。
國神に支えられながら、ゆっくりと歩き出す。

その後ろ姿を、潔たちは黙って見送った。

 

──そして、部屋に到着したあと。

がベッドに腰掛けると、國神はその隣に静かに座った。

國「……落ち着いたか?」

「……うん、ごめんね、付き合わせちゃって」

國「謝るなよ。……俺は、天羽が安心して眠れるなら、それでいい」

はそっと目を閉じ、ようやく張りつめていたものがゆるむように息を吐いた。

國神はその寝顔をしばらく見つめていると、の目から涙が一筋流れた。

國「…つらかったよな…。よく頑張ったよ」

そう言っての頭をそっと撫でた。
やがて立ち上がって毛布を上までかけ直す。

國「……おやすみ」

そう呟いて、彼は部屋をあとにした。
/ 175ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp