第8章 甘い拘束
國「……俺たちも、数日前、の首筋に、はっきりとなんかの“跡”があった。」
凪は呆れたように言った。
凪「はぁ…これだから脳筋くんは…。キスマークだよ。言い訳してたけど、あれは……間違いなかったよ」
凪の言葉に凛はわずかに眉をひそめ、低く呟いた。
凛「あ……?どういうことだよ…」
潔「……キスマーク……?」
千「……嘘だろ……?」
凪「え、なに?潔も知らないの?えっちぃことした時につくやつだよ」
潔「ばっ…!!さすがに俺は知ってる…!!」
國(マジかよ…そんな跡だったのかよ…あれ…)
潔と國神は顔を赤くしていた。
衝撃が広がるなか、千切が唇を噛む。
千「……俺、前にジムで優人とがキスしてるの見たとき……受け入れられなくて……逃げちまった……」
拳を握りしめながら、千切は悔しそうに言葉を吐いた。
千「……あのとき、もっとちゃんと見てれば。見なかったことにしないで、向き合ってたら……今こんなに遅れなかったかもしれないのに」
誰も、すぐには言葉を返せなかった。
潔がゆっくりと顔を上げる。
潔「……でも、今気づけた。俺たち、今からでも遅くない。まだ終わってない」
國神が力強く頷く。
國「もう見て見ぬふりはしない。何があっても止めよう。あいつをこれ以上、ひとりにさせない」
凪と千切は2人の言葉に、静かに頷いた。
凛「……そっちはそっちでやれよ。俺は俺のやり方でやる」
そう言って肩をすくめる姿は、どこかぶっきらぼうで、でも確かにのことを想い合う“仲間”だった。
5人の視線が静かに交わり、夜の共有スペースにひとつの決意が生まれた。
――を、必ず守る。