第8章 甘い拘束
その夜、冷えた空気のなか、國神、凪、潔、凛、千切の5人がいつになく真剣な顔でテーブルを囲んでいた。
凛は背もたれに深く座り、腕を組んでいる。
不満げな顔で口を開いた。
凛「……なんで俺まで、お前らとおしゃべりしなきゃなんねぇんだよ」
潔「お前も見たからだろ。さんの腕の痣、俺と一緒に……」
その言葉に、國神が小さく反応する。
國「痣……?」
凪「え、何それ。初耳」
潔はゆっくり頷いた。
潔「さんの右腕に、でかい青紫の痣があったんだ。打撲って言ってたけど……あれは絶対、ぶつけたレベルじゃない」
千「……そんな……全然知らなかった」
國神は顔をしかめた。
國「マジかよ……じゃあ、やっぱり“無理してる”ってことなのか……」
凪も息を呑むように目を伏せる。
凪「…やっぱ、ただの“恋人”ごっこじゃないんだね」
少しの沈黙のあと、國神が口を開いた。