第2章 新マネ登場
アンリに連れられて、が案内されたのは備品管理室だった。
壁一面にずらりと並ぶ収納棚。中にはストックされたドリンクや、トレーニング用のサポーター、冷却スプレー、テーピングなどが整然と収められている。
ア「ここが備品の保管庫。午後から軽めの自主トレをする選手もいるから、ドリンクの補充と差し入れの準備をお願いしてもいい?」
「わかりました」
アンリに笑顔で頷いたは、持っていたノートを開いて、棚のラベルを確認しながら必要な数をチェックしていく。
それはまるで、ついさっきの洗濯室での國神との作業をなぞるようだった。
「このドリンクは……どっちのエリアに? えっと……あ、メモしとこ」
少し不安そうにしつつも、前向きに取り組もうとする姿は、やはり健気で、真っ直ぐだった。
ア「じゃあ私はちょっと別の対応するから、一度ひとりでやってみて。わからなかったら呼んでね」
「はいっ!」
そう言ってアンリが去ったあと。
がカートにドリンクを積み、選手たちが使うトレーニングルームへ運ぼうとしたとき――
?「……あれ? 何してんの」