第22章 ズルイヒト♭④-2
キミが愛おしくて
「ちょっと、止められない」
ズッ
「.....うぁ!?....アァ...ッ」
「...っ....はぁっ....」
熱くて、溶けそうだ。
ぎゅっと締め付けてくるキミの中は、気持ちよくて、油断したら持ってかれちゃいそう。なるべく痛くないようにしてあげたいのに、キミの目から涙が零れる。
初めてだろうし、緊張や不安でいっぱいだと思うけれど、その涙さえ綺麗で、困った。どうか痛みが無くなりますようにと、思わず舐めとったら、パチクリと瞳が開いて、開口第一声が、塩っぱくない?だった。
こんな状態で、言うことがそれなんだ。
痛いとか、怖いとか、もっとあるだろうに、どこかズレてる愛梨ちゃんが可愛くて、吹き出してしまった。え?え??と困惑してる愛梨ちゃん。
冗談交じりで、キミが甘いからちょうど良いなんて返したら、一気に顔が赤くなって、きゅって締め付けられた。
どうしよう、やっぱりキミは可愛いくて困る。ごめんね、とキスをして、なるべく痛くないようにと願いながら、奥まで進む。
コツン、と当たると更に締め付けられて、果てちゃいそうだ。
キミの良いところを探したくて、ゆっくり動く。愛梨ちゃん、と名前を呼べば、抱きしめられた。キスしたい。
キミの口を塞いで、舌を絡めて、もっと感じたい。感じて欲しい。
でも、キミの声をもっと聞きたい、優しくしたい、もっと激しくしたい、の葛藤が、僕の判断を鈍らせる。愛梨ちゃんに負担をかけたくないんだ。
れいじくん
と、僕の名前を呼ぶキミ。
あんまり余裕が無くて、生返事してしまった。
そしたらキミは可愛いことを言うんだ。
『れいじくんの、スキに、してほしい』
もう、ダメだって
思わず零れたセリフをかき消すように、動きが激しくなる。
キミを優先したいのに、たった一言で僕の理性はどこかへ行ってしまった。こんな時まで僕を思いやる姿に、気持ちが溢れて仕方ない。
愛梨ちゃん愛梨ちゃん
キミの声が、僕を呼ぶ度に胸が苦しくて、この苦しみをどうにかしたくてキスをする。ダメ。キミの瞳から雫が零れそうになるけど、それも全部、僕に頂戴。
僕のものに、なって。