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ズルイヒト《寿嶺二》

第19章 ズルイヒト♭②



「僕だって、色々考えてるよ」
「・・・ふん。なら良いがな」
「ミューちゃんだってぇ、彼女さん泣かしちゃダメだぞ!」
「はっ!くだらん心配をするな。当たり前だ。む?寿、あそこのドライブスルーに寄れ」
「期間限定ですね、はいはい。いやー、彼女さん、よくミューちゃんに付き合えてるなぁ」
「そっくりそのまま返してやろう」





こんなにミューちゃんが念押ししてくるのは珍しい。


それだけ、彼女さんを大事にしているってことなのだろう。またニヤケようものなら、どれだけ追加の注文をされるか分からないから、黙っておく。

後ろの女性陣が起き出して来たでところで、ミューちゃんご指定のドリンクと、コーヒーを受け取って飲む。僕には甘すぎそうなドリンクはちょっと遠慮しておいた。







「じゃあね愛梨!また連絡する!」
「うん、ありがとう。カミュさんも」
「次の新作が出たら、早く言うのだぞ」
「寿さんもありがとうございました!愛梨のこと、お願いします」
「はーい、まっかせといて!」



大量のお土産を持った2人に別れを告げて、愛梨ちゃんに助手席に座り直して貰う。やっぱり隣には可愛い女の子を乗せたいよね。



「れ、嶺二くん、ずっと運転してくれて、ありがとう、疲れてない?」
「んーん!ぜ〜んぜん平気だよ!へっちゃら~!」
「う、うん、でも、ありがとう」
「愛梨ちゃんこそ、疲れてない?」
「あ、う、うん!大丈夫!....いや、さっき寝ちゃってたから、説得力ない....かな?」
「あはは!可愛い寝顔が見れて、役得でした~」
「も、もぅ、またそんな事....」
「また一緒に来たいね」
「う、うん、そうだね」



これは本心だ。キミがどう思っているか分からないけど、僕は本当に楽しかったし、ミューちゃんや彼女さんと話すキミを見て、その人柄を知れた。素敵な女の子だなって、感じたんだ。
もっと一緒に居たいけれど、どう切り出そうか




「れ、嶺二くん!」
「うん?」
「あ、あの、嶺二くんは...」
「うんうん」
「あの、えっと....今日、た、楽しかった?」
「うん!もっちろん!温泉じゃなくなったけど、遊園地も久しぶりだったし、楽しかったよ~!」
「あ、あの、じゃ、じゃあ!」




「お、温泉のリベンジしませんか!?」
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